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ナラティヴ・ベイスト・メディスン(NBM)について 私は2005年8月から、自分のブログの中で、主に「糖尿病へのナラティヴ・アプローチ」についてずっと書いてきました。NBMについて短い文章で説明することは大変難しいことなのですが、誤解を恐れずに、以下に3つの特徴にまとめてみました。少し難しい文章ですが、集中して読んでみてください。
第1の特徴:「医療人類学」「文化人類学」という学問的背景をもっている。 医療人類学は「病気」の生物学的な意味(Disease)だけでなく、主観的な意味(Illness)にも注目します。一方、文化人類学は、広義には人類を進化の過程によって形作られてきた生物学的側面から捉える自然人類学に対して、「“自然”の対義語としての“文化”から人類を研究しようとする学問分野」です。従って、自然科学のひとつである医学とは元々両立が難しい関係にあります。しかし、よく考えてみれば、社会的な存在である私たちにとって、生物医学的視点と文化人類学的視点とは相補的な関係にあるということに気づきます。つまり、生物医学モデルを用いて、病気の原因を追及し、それをいかに管理するかということを追求することも大切ですが、同時にそもそも人間は慢性の病をもちながら、どう生きるべきか?といったテーマにも向き合いつつ、医療のあるべき姿を追求している点が大きな特徴です。
第2の特徴:「社会構成主義」という思想を背景にもっている。 すなわち、社会学的な実践、社会学の臨床応用であるという点です。社会構成主義の特徴のひとつに絶対相対主義(客観性への懐疑)というものがあります。つまり、「私たちが属する時代、ある地域、ある社会集団の条件が、私たちのものの見方や感じ方、考え方を基本的なところで決定しており、それ故私たちは自分が思っているほど自由にものを見ているわけではない」と考えるのです。このため、医学的観点をも相対化し、患者の考えと医学的観点とを対等に評価し、互いの相互交流、相互検索を通じて問題解決を図ろうとします。医療者にとって、こうした考え方を受け入れることは容易ではないので、一定の訓練が必要になります。
第3の特徴:相互の「語り」を共有することを治療の大切な一部と考える。 それ故、医療者と患者とが対話を通じて、相互に「語り」を共有することを、治療の重要な一部と考えます。 |